高茂合名会社 / ヤマモ味噌醤油醸造元

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Miso and Soy Sauce Factory

初代・高橋茂助の創業から150余年の間、醸造専用の「仕込蔵」や「諸味蔵」等の土蔵を活かし、数世代にわたり増改築を繰り返しながら現在に至る工場体験ができる「YAMAMO FACTORY TOUR」。

圧搾、火入れ、調合、ろ過、充填の各設備と工程がそれぞれ小分けの空間で行われるのではなく、広大な一つの大空間内で行われていることが特徴です。備え付けの設備ではなく、時代に合わせて同空間内でその都度設備の配置を変えながら現在のものになったことがわかります。自動制御などの完全な機械化ではなく、人間の作業を機械がサポートするような、人手が入る余地を十分に残した工場であるということができます。

仕込蔵にある「室(むろ)」は木製でつくられた半自動の製麹機(せいきくき)であり、室温45度、湿度60%という過酷な環境下に人がまるまる入り、三日三晩世話をして糀づくりを行います。一番の目玉は発酵熟成の「諸味蔵」です。敷地の最も北に位置し、低温の発酵と熟成を促せる土蔵です。24もの杉樽が並ぶ姿は圧巻で、入口よりも大きな樽は、かつてヤマモが専用で抱えていた樽職人がこの蔵の内部で組み立てていたことを物語っています。

経年経過した工場では、同空間内で蔵人がリアルタイムで仕事を行い、長らく棲み付いた菌の働きが感じられる、時間軸が交錯する稀な空間体験となるでしょう。

Corridor Water Garden

ヤマモの庭園は四代目高橋茂助・彦四郎が作庭をし100年以上、現在まで護り続けてきました。内蔵で保管された写真には、彦四郎が妻の“アキ”と寄り添う姿も収められております。味噌醤油の産業とは別に、岩崎地域や高橋家のFAMILY HISTORYを共に刻んできた様子が伺える「YAMAMO GARDEN TOUR」となります。

岩崎は皆瀬川の豊かさに関連する秋田三大伝説の一つ「能恵姫伝説」の悲話が残る地域です。初代はそこに着目し、この地で優秀な仕込水を得ました。ヤマモの庭園は仕込水である皆瀬川の伏流水・地下水の恵みである水神のお堂を景観の主とし、水平の庭石と曲線の植栽がリズムをつくる回廊型庭園です。

五代目茂助・毅一郎のとき、中央の池は潤いを失くしました。また近年の大雪で、幾本かの木が倒れてしまいました。歴代当主が豪雪と闘いながらも存続させたこの庭を、私たちはそれに堪えうる機能を有したものに再び作庭しました。時代背景を映した歴史的なルートはそのままに、現代に広く皆様に開放するルートを現代に設計し、混ぜ合わせたものがこの度の庭園となります。改築後の庭園入口に新たな池を設け、小川によって2つの池を結び、水の豊かさを再定義しました。

醸造の背景にある雪国の四季。皆瀬川と春の雪解けがもたらす豊かな水資源。借景にはじまる景色の層が織り成す日本庭園。これらの体験を通じ、これまでの当主の想い、侘び寂びを感じていただければと思います。

4th Generation's Field

2015年、七代目がアメリカ西海岸のシアトルに渡り、次世代の食と農のリーダーを育成するプログラムに参加しました。その経験と学びから始めることとなった自社畑づくり。土に直接触れることにより、私たちは本来何者であったのか、何のために生きていくのか、その意義を呼び起こさせることができるものとして「yamamo field tour」をご用意いたしました。

シアトル渡航以降、ヤマモの醸造産業を将来に渡り持続可能とするため、休耕地を再び原料畑として活動的にする取り組み「yamamo sustainable field」を続けて参りました。実に30年振りの畑の再生は感慨深いものがあり、四代目・彦四郎と妻・アキの時代まで耕していたこの畑を「4th generation field(四代目の畑)」と名付け、毎年大豆を収穫し原料としております。

私たちは社員が一丸となり、種を撒き、芽吹かせ、収穫を迎えることが非常に大きな意味のあることと考えます。会社として経済活動を続けながらも、次世代に命を繋いでいく社会の一員として、人が本来の生きる目的を“mindfullness=love(穏やかな心=愛情)”であると改めて位置づけ、命の誕生から収穫までを丁寧に行っております。私たちは人間の愛情に重きを置く価値観のもと、新たな取り組みを進めていきたいと考えております。小さな畑ではありますが、土から遠く離れた現代人が、生きるために大切なものを考えるきっかけになることができれば幸いです。

with Soup

一杯のスープが人々の心に安心と居場所をつくってきたのだと考えます。YAMAMO FACTORY TOURの最後に、ヤマモの製品を使用したTODAY'S SOUPをGARDEN CAFEにてご提供いたします。

庭園に隣接するGARDEN CAFEは、和室二部屋を改築し新たな庭園入口としました。その際は、なるべく高橋家にある経年経過した部材を用いて、100年前からそこにあったような空間を目指しています。壁面には書家でもある六代目の“書”を備え付け、また江戸時代の岩崎地域の日本絵画を配し、当時の皆瀬川が交通の要となり、渡し舟が多数行き交っていた情景を思い起こすことができます。また1900年代初頭からの英国アンティークの家具をご用意し、同じ年代の和洋を織り交ぜた文化的な体験をご提案しております。

ヤマモの庭園やGARDEN CAFEは、弊社を取り巻く人々や土地に刻まれてきたルーツを尊重し、そこに今を生きる者が歴史や文化的価値を現代の目線でミックスすることで、次世代を目指すヤマモのブランドアイデンティティを表現しています。仕込水の音や四季の移り変わりを楽しみながら、創業者・高橋茂助から七代まで続くヤマモの産業の歴史と文化を味わい深いスープと共にご堪能していただくことができます。